バセドウ病

バセドウ病とは

甲状腺は、食べものに含まれるヨウ素から甲状腺ホルモンを生成します。甲状腺ホルモンは、代謝を活発にしたり、体温調節を行なったりするホルモンです。
バセドウ病は、ホルモン合成・分泌が過剰になり、甲状腺ホルモンの分泌が増加する病気です。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身の代謝が早くなり動悸や息切れ、手の震え、多汗、全身倦怠感、体重減少、眼球突出などの全身症状が現れます。放置していると、心臓への負担が大きくなります。症状の自覚がある場合は、当院へすぐにご相談ください。

若い女性に多い!?バセドウ病になりやすい人って?

バセドウ病は、20~30歳代の女性に多い病気です。
はっきりとした原因は不明ですが、遺伝やストレス環境などが関係していると言われています。

バセドウ病の主な症状

よく挙げられる症状

  • 甲状腺腫(甲状腺の腫れ)
  • 眼球突出
  • 頻脈

代謝が亢進すると起こりやすい症状

  • 安静時にも、動悸がする
  • 多汗、汗の量が多い
  • 暑がり
  • 下痢
  • 食べても太らない、体重減少
  • イライラする、心が落ち着かない
  • 月経不順
  • 手の震え
  • すぐに疲れる、体に力が入りにくい
  • 不妊症

バセドウ病の原因

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌することが原因で起こる自己免疫疾患です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝やストレス環境などが要因ではないかと言われています。

甲状腺の働き

甲状腺の働き甲状腺は、のどぼとけ下に蝶のように羽を広げた形をしている臓器です。食べ物などから取り入れたヨウ素を元に甲状腺ホルモンを生成しています。甲状腺ホルモンは、血液とともに全身の臓器に行きわたり、全身の新陳代謝を盛んにする作用があります。

バセドウ病の検査

バセドウ病を診断するには、患者様の自覚症状を確認し、血液検査や超音波検査を行うことが一般的です。

血液検査

甲状腺ホルモン検査(FT3、FT4)
血液中の甲状腺ホルモン量を調べる検査です。バセドウ病は、甲状腺ホルモンを過剰に生成するため甲状腺ホルモン(T3・T4)の数値が上昇します。T3 T4の大部分は血中のタンパク質を結合しており、体内で働くのは結合していないFT4 FT3なので、採血ではこちらを測定します。
そのため、T4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)の数値は診断する上でとても重要な評価項目です。

甲状腺刺激ホルモン検査(TSH)

甲状腺ホルモンは、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により、一定の量が保たれるよう調節されています。バセドウ病になって甲状腺ホルモンが過剰になると、それ以上過剰に分泌しないようにTSHの分泌量は減ります。

甲状腺事項抗体検査(TRAb)

バセドウ病は、自己抗体(TRAb)が、TSHに代わって甲状腺を常に刺激し続けるため、甲状腺ホルモンが過剰に作られてしまいます。
そのため、TRAbがバセドウ病の診断に有用となります。

甲状腺超音波検査(甲状腺エコー)

甲状腺の大きさや血流を評価します。
バセドウ病は甲状腺全体の血流が多くなり、甲状腺が腫脹しているため超音波で程度を調べます。

放射線ヨウ素検査

血液検査やエコー検査で診断が難しい場合などに行われる検査です。
甲状腺に取り込まれるヨウ素と同じ性質を持つ放射線ヨウ素の入ったカプセルを飲み、シンチグラム撮影を行い、甲状腺の状態を評価します。

※放射線ヨウ素検査が必要な場合は、連携する専門機関をご紹介させていただきます。

バセドウ病の治療

バセドウ病の治療方法として、甲状腺ホルモンを抑える薬を使った薬物療法、放射線ヨードを用いるアイソトープ療法、手術療法などの方法があります。

薬物療法

甲状腺ホルモンの生成を抑える抗甲状腺薬を内服する方法です。運動制限などはありませんが、毎日決められた量を内服する必要があります。症状が改善したからといって自己中断したり、不規則な内服では効果が期待できません。また抗甲状腺薬内服開始後は副作用の出現に注意が必要です。
代表的な副作用として、白血球が減少し発熱や喉の痛みが出現することがあります。発熱や喉の痛みなどを自覚した場合は、必ず受診しましょう。肝臓の値に異常がでたり、かゆみが出現することもあります。定期的に採血検査を行い、量を調整していきます。

アイソトープ治療

放射線ヨードのカプセルを内服する治療です。放射線によって甲状腺の細胞を破壊し、甲状腺ホルモンの分泌量を抑えます。外来で治療することができ、効果も期待でき比較的安価であることが特徴です。毎日内服する薬物療法とは違い、短期間での治療が可能ですが、将来的に甲状腺機能低下症になるケースもあるため、治療終了後も定期的に通院・検査する必要があります。
主に、薬物療法で一定の効果が得られなかった方や副作用が強く現れた方、心臓や肝臓の疾患がある方、短期間で治療を終わらせたい方などが対象となります。なお、妊娠中の方、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が懸念されるため、治療を受けることができません。

手術療法

甲状腺を手術により切除する方法です。手術後に薬物療法が必要になることもあります。主に、甲状腺の著明な腫れ、薬物療法で一定の効果が得られなかった方、あるいは副作用が強く現れた方が対象です。

※手術・アイソトープ治療が必要な場合は、連携する専門機関をご紹介させていただきます。

バセドウ病の人の食事の注意点

基本的には、バセドウ病治療に食事制限はありません。バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、エネルギーを激しく消費するため、食欲が旺盛になります。
治療前は、食べてもエネルギー消費が上回り痩せていきます。治療を開始すると過剰な代謝が落ち着いてくるためエネルギー消費も落ち着いていきます。同じ食事をすると肥満に繋がります。

控えるべき食品

甲状腺の疾患を持つ方は、海藻類やイソジンなどのうがい薬に多く含まれるヨウ素の摂取に注意が必要です。

ヨウ素

甲状腺ホルモンの主成分である、ヨウ素の過剰摂取は避けましょう。ヨウ素は、海藻や昆布などに多く含まれています。

その他

代謝を亢進させる唐辛子、アルコールなどの刺激物は避けます。

バセドウ病の人の運動・生活の注意点

甲状腺機能亢進症状の亢進症状が出ている時は、激しい運動は避けましょう

動悸や息切れなどの症状ができている時は、まずは安静にし、休息をとりましょう。
激しい運動は症状を悪化させてしまう恐れがありますので、できるだけ避けるようにしましょう。
また喫煙・ストレスはバセドウ病を悪化させますので、できるだけ避けてください。

InstagramInstagram
expand_less
tel:06-6850-2201 FAX番号:06-6850-2202 24時間受付 WEB予約 WEB問診 LINE予約