大腸がんに気づいたきっかけ

大腸がんに気づいたきっかけって何?

大腸がんに気づくきっかけとして、多くみられるものをご紹介いたします。

便潜血検査

便潜血検査で大腸がんに気づいた大腸がんは、健康診断の「便潜血検査」で陽性判定を受けたのをきっかけに発覚することが一番多いです。
便潜血検査は、便を2日間ご自身で採取して、便の中に血液成分が混入していないかを分析する検査方法で、腫瘍由来の微小な出血も検出できます。

血便

血便が出たことをきっかけに大腸がんに気づいた悪性腫瘍が大腸の腸管粘膜の内部に形成された場合、がん組織は栄養分を身体から奪い取るために新たな血管(新生血管)を作ります。
ただし、その新生血管は、通常の血管組織よりも脆弱であり、新生血管部分を便が通過する際に血管を損傷して出血してしまい、血便が生じます。

貧血

貧血がきっかけで大腸がんに気づいた大腸がんの場合には、病変部からゆっくりと時間をかけて出血するケースが多く、気づかないうちに貧血となる場合があります。特に、固形の便がまだ形成されていない「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」に形成される大腸がんでは、進行しても腹痛等の腹部症状がはっきりと現れないことも多く、貧血によるふらつきやめまいなどの症状によって大腸がんが発見されるケースもあります。

腹痛

腹痛がきっかけで大腸がんに気づいた元々は硬便でも通りやすい下行結腸やS状結腸、直腸部位では、がんによって便の通りが悪くなることで腹痛や腹痛にともなう嘔吐症状が引き起こされやすくなります。

体重減少

がん病巣部が大きくなろうとするために、たんぱく質や脂肪成分を分解されるため、普段と変わらない生活をしていても、体重が減少していきます。
体重が減少する要因がないにも関わらず、1ヶ月で3~4kg前後の体重減少がみられた場合には、早急に医療機関を受診するようにしましょう。

腸閉塞

腫瘍が腸管内で巨大化すると、腸管内で便が通過できなくなり詰まってしまう状態のことを腸閉塞といいます。腸閉塞になると、腹痛や嘔吐などの症状が出現し、緊急手術が必要となることがあります。

大腸がんとは

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の一番内側にある粘膜に発生するがんで、良性のポリープががん化するものと、正常な粘膜の細胞が直接がん細胞に変化して発生するものがあります。

初期症状が乏しい大腸がん…症状チェックリスト

  • 初期症状が乏しい大腸がん…血便、便潜血検査陽性
  • 便が細い
  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 繰り返し下痢と便秘になる
  • 排便後、すぐにまたトイレに行きたくなる
  • 体重減少 など

大腸がんの初期では、症状が出現しないことが多いです。
症状の中でも、もっともよく見られるのが「血便」とされていますが、「痔」によるものと考えて放置してしまうケースが少なくありません。
異常があった際には、自身で判断せずに必ず受診しましょう。

40代から増加傾向?原因とは

大腸がんの発生は、生活習慣や家族の病歴が関係しているとされています。
大腸がんの罹患を高める生活習慣としては、「喫煙」「飲酒」「肥満」「加工肉や動物性脂肪の過剰摂取」が挙げられます。
また、ご家族で家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の方がいらっしゃる場合、大腸がんを発症される方が多くみられます。

40歳を越えたら大腸カメラ検査をおすすめします

40歳を越えたら大腸カメラ検査大腸がんの罹患率は、40歳頃から上昇します。
そのため、特に40歳以上の方は、年に一度の大腸カメラ検査をおすすめします。

大腸がん検査

大腸がんが疑われる場合には、次のような検査を行います。

便潜血検査

便に血液が含まれていないかを調べます。
1)便潜血検査が陽性の場合

便に血液が含まれていないかを調べます。
「便潜血陽性=大腸がん」ではありません。
便潜血検査が陽性を示すうちの約3%が大腸がんであり、ポリープからの出血が約30%、その他の大半は痔が原因で陽性となります。

2)便潜血検査が陰性の場合

「便潜血が陰性=大腸がんではない」ではありません。残念ながらすべての大腸がんがこの検査で陽性になるわけではなく、あくまで2日とも便に血が混ざっていなかったということでしかありません。 便潜血が陰性でも便秘や下痢が続く、便が細い、腹痛などがある場合は大腸内視鏡検査などの精密検査を実施したほうがよい場合もあります。

検診で「便潜血陽性」といわれたら?

受けるべき検査は「大腸内視鏡検査」です。
大腸がんの検査として大腸の内視鏡検査がもっとも確実な方法です。

大腸カメラ検査

肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜をカメラで直接観察できる検査です。炎症や隆起など病変の有無や範囲、毛細血管の分布を確認できます。また、検査中に疑わしい部分の組織を採取し、病理組織検査をすることが可能です。

注腸造影

大腸の走行、通過状態、粘膜の形状、性状を調べ、炎症、潰瘍、腫瘍等の病変を探す検査です。
健診などで便潜血反応(検便)が陽性の場合は、注腸検査または下部消化管内視鏡検査を行います。
肛門から注腸用カテーテルを挿入し、バリウム、空気を順次大腸内に入れて造影検査をします。大腸の全周にバリウムを付着させるための回転動作が必要とされます。右、左にと体位変換が必要です。体位変換後、透視で大腸の状態を確認しながら撮影します。

大腸がん治療

進行状況によって治療方法は異なります。
早期の場合と進行している場合に分けてご紹介します。

早期の場合

早期の大腸がん(がんが粘膜内または粘膜下層にとどまっている)の場合、基本的には内視鏡による治療が行われます。
ただし、がんの範囲が広い場合等、状態によっては手術が選択されることもあります。

日帰り大腸ポリープ切除
日帰り大腸ポリープ切除大腸カメラ検査中に発見された大腸ポリープは、その場で切除する日帰り手術が可能です。
日帰り手術は入院の必要なく、その日のうちにご帰宅できて、経済的にも、時間的にも、気持ち的にも負担が少なくなります。
ポリープのタイプによって切除方法は変わりますが、ほとんどの場合切除は5分程度で、痛みや不快感はありません。
切除を受けた場合、当日ご帰宅後の安静、食事・入浴・飲酒・運動・長時間移動などに数日から1週間ほどの制限があります。
なお、治療適応の判断・処置については慎重に行いますが、偶発症として、出血・穿孔(腸に穴が開く)等の可能性があり、場合によっては、数日間の入院・外科的手術(開腹手術)が必要になることもあります。
その際は、適切な医療機関へご紹介いたします。
また、当院で治療困難と判断した症例については、連携する高次医療機関へご紹介します。

進行している場合

固有筋層よりも深くに進行しているがんでは、周囲の血管やリンパ管への浸潤、リンパ節へと移転している可能性が高くなります。
このような場合には、内視鏡ではなく手術による治療が行われます。
また、転移が認められる場合には、抗がん剤による化学療法も必要になることがあります。

 

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