便秘外来とは
便秘にお悩みの方は多いですが、「便秘だけで受診しにくい」「恥ずかしい」といった理由で受診されないケースもあります。このような方のために「便秘外来」があります。便秘を体質と考えて諦めている方もいらっしゃいますが、便秘は治療可能です。また、便秘は大腸や肛門に負担がかかるため、大腸疾患を患う確率を高めます。
市販薬の服用を続けていると、便秘が慢性化する恐れがありますので、医療機関で適切な検査や治療を受けましょう。
3日以上便が出ないのは
便秘!?
このような症状にお困りの方はご相談ください
便秘とは、「体外に排出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態」をいい、毎日排便がないと便秘というわけではありません。
次のような排便の症状がある方は、遠慮なく豊中市のたわ内科・内視鏡クリニックへご相談ください。
- 3日以上排便がない
- 便秘が数週間~数カ月続いている
- 便秘薬を使わないと排便できない
- 以前より排便の量や頻度が少なくなった
- 排便はあるが、腹部の不快感や残便感がある
- 便秘と下痢を繰り返している
- 便が硬く、排便が辛い
- 便がコロコロと小さい
- 便が細い
- 肌の調子が良くない
- 便潜血検査で陽性だった
- 血便が出る など
とりあえず便秘薬を
服用していませんか?
便秘の場合、多くの方は市販の便秘薬を使用して対処します。市販の便秘薬には様々な種類がありますが、よく使用されるのが大腸刺激性の便秘薬です。刺激性の便秘薬は即効性があり、内服すると翌日には排便があり、便秘による症状が改善します。しかし、薬の服用をやめると、また便秘になり、刺激性の便秘薬を服用して排便するのが習慣になってしまう恐れがあります。
そして、刺激性便秘薬の服用を長期間続けていると、大腸の蠕動機能(便を押し出す働き)が低下していくため、便が出にくくなります。
男女の便秘の違いや傾向とは
女性は男性と比較して便秘になりやすいです。
その要因と理由は次の通りです。
便秘になりやすい要因 | 理由 |
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腹筋の筋力の違い | 腸を動かしたり、いきんだりするためには腹筋の力が必要だが、女性は男性に比べて弱いため |
女性ホルモンによるもの | 生理前には、女性ホルモンの1つである「黄体ホルモン」が増加する この黄体ホルモンは大腸のぜんどう運動を抑える働きがあるため、生理前には便秘になりやすくなる |
骨盤の違い | 女性は骨盤が広いため、骨盤に腸が下がって腸の形が不安定になり、ぜんどう運動を起こしにくくなっているため |
ダイエットによるもの | 食事の量を減らすダイエットでは、食物繊維の量も減ってしまい、便が排出されにくくなる また、脂肪分を減らすと、便のすべりが悪くなり、便秘になりやすいため |
便秘になりやすい人の傾向とは
便秘は、50歳以下では女性がなりやすい傾向にありますが、その後は男性の割合も増えていき、70歳前後で男女差がなくなります。
男女とも、加齢による運動量や食事量の低下、筋肉の衰えなどによって、排便の量や頻度が少なくなります。また、若い方の原因として多いのは、ストレスや食物繊維の不足、水分摂取不足、無理なダイエット、排便を我慢する習慣によるものなどがあります。
他にも、過敏性腸症候群、大腸がんなどの疾患や服用する薬によって便秘になることもあります。
便秘外来の検査
問診・診察
問診、診察により、便秘の種類に合わせた治療を行います。
便秘の種類によって、治療法は異なりますが、生活習慣の見直しや食生活の改善、運動療法については、すべての便秘に有効です。
なお、検査結果で病気による便秘が疑われる場合には、病気の診断に必要な精密検査、治療をご案内します。必要に応じて、提携する病院をご紹介致しますのでご安心ください。
あなたの便の状態は?ご自身の便を観察してみましょう
便の性状は、世界的な基準で色や形に基づいて「便」の状態を分類する「ブリストル便形状スケール」によって分類することができます。スケールを使用すると、客観的に便の形状を評価できます。
肛門への負担を考慮すると、適度に軟らかい状態を保つことが大切です。ブリストル便形状スケールの3〜5の硬さを意識しましょう。
腹部レントゲン検査
血液検査
腹部超音波検査(腹部エコー)
その他
必要に応じて、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)・便検査など実施します。
便秘の治療
生活習慣の見直し
まずは、日頃の生活習慣をお聞きし、必要があれば生活習慣の改善をご提案します。
薬物療法
ただし、今まで長期間内服していた刺激性便秘薬などは、すべて同じ時期に中止してしまうと便が出なくなってしまいます。まずは、当院処方の内服薬と併用しながら継続し、その後徐々に減量、中止していきます。