胃?お腹?どの部位が調子悪いのかわからない
お腹が痛い時のポイント
- いつから痛いか
- 痛む場所はどこか
- どんな時に痛みを感じるのか
- 食事や排便に問題はないか など
上腹部で起こる痛みや違和感
胃や十二指腸、胆嚢や膵臓の痛みは、心窩部(みぞおち)が痛むことが多いです。
狭心症などの心疾患でも心窩部痛が起こることがあります。
下腹部で起こる痛みや違和感
腸疾患の多くは、臍のまわりが痛みます。泌尿器疾患や婦人科疾患の場合も下腹部が痛むことが多いです。
胃の調子が悪い…お腹に違和感がある
このような症状はありませんか?
- 胃が張っていて苦しい
- 胃がムカムカし胸やけがする
- げっぷがよくでる
- 横になると気分が悪い
- 吐き気がする
- 胃の圧迫感がある など
胃の調子が悪くなる時に考えられる病気
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流することで、胃の気持ち悪さ、胸の痛み、げっぷ、呑酸、のどの痛み・違和感、咳、食欲不振などの症状をともなう病気です。
食道と胃のつなぎ目に下部食道括約筋という筋肉があり、食物が通過するとき以外は胃の入り口を締めて胃の内容物が食道に逆流しないように働いています。この筋肉が緩むと胃から食道への逆流が起こるようになります。
下部食道括約筋が緩む原因としては、加齢による変化、胃内圧の上昇(食べ過ぎ、早食いなど)、腹圧の上昇(肥満、衣服による締め付けなど)、高脂肪食などがあります。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは、胃もたれ、早期満腹感、みぞおちの痛みをはじめとする症状が自覚されている一方で、内視鏡で観察しても粘膜に異常が認められない病気です。胃・十二指腸胃の運動機能の低下・知覚過敏、ストレスなどが原因と考えられています。
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌などに感染することで、胃の気持ち悪さ、吐き気や嘔吐、下痢などの症状が見られる胃腸炎です。
急性胃炎
胃粘膜の炎症性疾患を総称して胃炎といいます。胃炎には主に、急性胃粘膜病変と慢性胃炎があります。急性胃粘膜病変は原因がよくわかっているものでその原因(薬の副作用、ストレス、飲酒など)を除去できれば短期間に回復が望めるものです。安静で数日で回復する軽症から、内服薬や点滴加療、禁食が必要となる急性胃炎もあります。
イレウス(腸閉塞)
腹部手術による癒着、ヘルニア、腫瘍、腸管の麻痺が原因で、便の排出が障害される病気です。胃の気持ち悪さ、腹痛、腹部膨満感、排便の停止、吐き気・嘔吐などの症状をともないます。
虫垂炎
便の塊(糞石)やリンパ組織、腫瘍などが虫垂の入り口を塞ぐことで、虫垂内部で細菌が繁殖して膿がたまり、痛みの原因となります。初めはみぞおちの痛み、むかつき程度の症状ですが、1日ぐらいで右下腹部に痛みが移動します。そのまま放っておいて炎症が進むと、お腹が突っ張って歩きづらくなり、下腹部からお腹全体に痛みが広がります。発熱することも多いです。
胆膵系の病気
右上腹部やみぞおちが痛む場合には、胆のうや胆管、膵臓の病気の可能性があります。みぞおちに痛みがある時には胃が痛いと思い込んでいる方もおられますが、腹部超音波検査などで胆膵系の病気が見つかることも少なくありません。胆石症、急性胆のう炎・胆管炎、胆のうがん、急性膵炎、膵がんなどが挙げられます。胆石症は、脂っこい食べ物を摂取した後に腹痛が起こるのが多いです。
消化器以外の病気
心筋梗塞、狭心症などの循環器系の病気では、みぞおちなどの腹部の痛みを訴えることがあります。
腎・尿管結石や膀胱炎などの泌尿器系の異常も、腹痛の原因として考えられ、特に尿管結石は、のたうち回るような激しい脇腹の痛みに突然襲われるのが特徴です。痛みには波があり、痛んだり落ち着いたりを繰り返します。
女性の下腹部痛の原因としては、婦人科系の病気も考える必要があります。卵胞出血、子宮筋腫、卵巣のう腫茎捻転、子宮外妊娠、子宮内膜症などが挙げられます。
病気以外で考えられる胃の調子が悪くなる原因
- 食べ過ぎ、飲み過ぎ
- コーヒー、香辛料、冷たいもの、熱いものの過剰摂取
- ストレス
- 喫煙
- 不規則な生活リズム、睡眠不足
- 薬の副作用
胃や腸の調子が悪い時におすすめの食べ物
胃の痛みや不快感などの症状がある時は、できるだけ食物繊維や脂肪が少ない食品をやわらかく調理した料理が適しています。
また、小まめに水分を補給しながら、胃腸に負担をかけない食事を心がけましょう。
- 大根、かぶ
- ニンジン、じゃがいも
- かぼちゃ
- ほうれん草
- 白身魚(皮を取る)
- 鶏ささみ
- 豆腐、納豆
- ヨーグルト
- パン(調理パン、甘いパンを除く)
- お粥、雑炊
- うどん
- 温かいお味噌汁
- 白湯 など
胃や腸の調子が悪い時に避けるべき食べ物・飲み物
胃腸の症状が悪い時は、食物繊維など消化に時間がかかる食事や油物は避けましょう。
アルコールやカフェインも刺激を与えるため控えるよう心がけましょう。
- 海藻類
- こんにゃく
- キノコ類
- 鶏皮
- 脂身の多い肉類
- 揚げ物、脂っこいもの
- 酢の物
- 柑橘類
- 漬け物
- 香辛料
- コーヒー、紅茶、ココア
- アルコール
- 炭酸(砂糖が入っていないものも含む)
- 冷たいもの、熱いもの など